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議会つれづれ記 7

仙台市議会は「ガレキ処理」問題と向き合えているか?

-「広域処理」と「焼却処理」-

 

昨年1121日の「経済環境委員会」で、ガレキ処理の問題が話し合われた。「委員会」が開かれた段階で、撤去率は94%、域内処理でガレキを処分する方針である。

「広域処理」により遠く離れた他の自治体で焼却処理を行い、その焼却灰を返還する、というやり方には、復興財源をめぐる利権の問題もからみ、識者から多くの疑問が出されている。域内処理でガレキを処分した阪神大震災の時とガレキの量はそう変わらないのだから、この点に関して仙台市は優等生と言える。

ただし、「焼却処理」に関しては、問題が残るのではないだろか。焼却灰に放射能が濃縮され、排ガスに含まれる放射能も、低濃度ではあるが体内被曝の原因となる、という指摘もある。この問題に関しては、専門家の間でも意見が分かれており、バグフィルターによっては放射能を補足出来ないし、排ガス中の放射性物質の測定方法も確立されていない、という意見もあれば、高性能フィルターであれば放射能を補足できる、という主張もある。しかし後者の場合でも、高性能フィルターは熱に弱いので、現場で充分な試験が必要、と慎重な対応を求める点では意見は一致している。東京都が排気系統の試験をせずに焼却を行っていることに警鐘を鳴らす識者もいる。仙台市はどうなのだろうか。

12月の「委員会」では、「環境を悪化させない手だて」について質問した議員もいるが、この問題に関しては、議会は行政に対してもっぱら「現状はどうなっているか」というお伺い質問にとどまってる。少なくとも、昨年の委員会の議事録を見る限り、自ら情報収集し、調査した、という形跡がない。事は市民の生命と健康に係わるものである。充分調査した結果問題はない、というのであればもちろんそれで良いだろう。しかし、単に行政に質問し、問題が起きないようにしてください、とお願いするだけなら、議会の役割を果たしているとは言いがたいのではないか。

自ら情報を収集し調査する(必要であれば対案を提起する)、そのために政務調査費はあるはずである。  (り)